1. デジタル・ビデオ MPEG1と MPEG2  11/21/99

我々でも作成可能な デジタル・ビデオ・ファイルを分類すると
(1) 容量が小さく、画面が大きい画像を CD-R等で持参して見せたい場合
     QuickTime, MPEG2 (サイズが 640x480、品質が 30fps)

(2) 小画面で、容量が更に小さい画像を ダウンロードさせて見せたい場合
     QuickTime, MPEG1等 (サイズが 360x240以下、品質が 30fps以下)

(3) 64kbps程度のインターネット上で 映画のように見せたいのであれば
          RealVideo等の 動画 (ストリーミング・ビデオ; <320x240、<15fps)


最後の(3)を除いて、ビデオ作成を簡単な比較実例で説明します。

(1) MPEG1の方が 圧倒的に 容量が小さい。例えば、1分の 音無しビデオで
    MPEG1 = 9.4 MB (352x240, 29.97fps)
    QT3     = 24.0 MB (320x240, 29.97fps)
  容量が小さいので 必然的により滑らかに再生できます。
  難点は、元の AVI Fileから ソフトウェア作成するのに時間が10倍かかります。
  たとえば、1時間もので10数時間かかります。安定したパソコンが必要です。
  これは、新規に専用ボードを購入して ハードウェア作成に切り替えれば解決。
  MPEGは 現在と過去と未来のフレームを参照して、その先を最適最小に作成する
  ので時間がかかるのだと思います。QuickTimeはそれよりずっと短い。

(2) MPEG2は現行テレビ以上の画質で 将来性がある。容量もそこそこ小さい。
   例えば、1分の 音無しビデオで
    MPEG2 = 47.0 MB (720x480, 29.97fps)
    QT3 = 88.2 MB (640x480, 29.97fps)
  MPEG2は DVDROMの規格と同じです。したがって、その再生ソフトがあれば
  閲覧可能です。たとえば、WinDVD, PowerDVD, ATI等です。
  QT3/4は Adobeのがんばり次第ですね。QT3ビデオは K6III/400で 少々ぎこち
  なく、画質の粗さが目立ちます。
  10数分のMPEG2ファイルなら 1枚のCD-Rに入ります。
  これから伸びる Digital放送は MPEG2を採用するのだと思います。したがって、
  このモードの将来性は高い。作成時間は、MPEG1と同様、元のテープ閲覧時間の
  10倍かかります。

さて、問題は元のビデオ・ファイルです。アナログのまま 編集するより、デジタルで編集
した方が圧倒的に優れ将来性があります。「圧倒的に優」とは ビデオもオーディオも
編集が容易で、きめ細かくできるということです。「将来性」は上述しました。
さらに、編集ソフトの将来発展も望めます。アナログ編集ソフトに未来はないでしょう。

しかし、家には アナログ・ビデオカメラしかない。この場合は、
 (1) デジタル製品(ビデオカメラやデッキ)を購入し、そこに複写してください。
    このような製品は デジタルの世界に入る覚悟があれば、必須です。更に、
    デジタル・ビデオを ハード的に HDDに取り込めるDVカードが編集用に必要です。
または
 (2) アナログ・ビデオをソフト/ハード的に取り込めるキャプチャーカードを購入し、HDDに
    取り込んで下さい。できれば、AnalogVキャプチャーカードよりDVキャプチャーカードの
    方が将来性があります。Canopus製品は これを満たしています。
結局、新規投資が必要ですね。

デジタル動画の DVテープはある。しかし、編集機器がない。この場合は、上の (2)で
DVキャプチャーカードが必要です。

そこそこ高級で安価に入手可能な家庭用 DVキャプチャーカードに触れます。
 十万円以下なら   canopus.co.jp, pinnaclesys.com
 十数万円以下なら matrox.com, pinnaclesys.com
 数十万円以下なら canopus.co.jp (家庭用とは言い難い値段ですね)を参照。

MPEG2への変換方法を説明します。ハードウェア変換機は高価です。数十万円すると
思います。AnalogVideoを直接MPEG2に変換するカードは知っていますが、
DigitalVideoをMPEG2に変換するカードは知りません。したがって、この世界に入る
には、MPEG2変換ソフトウェアを購入することになります。私が知る限り、3種類あります。
visiblelight.comで 探してください。数万円以下で入手可能です。

私が用いているMPEG2変換ソフトウェアは 韓国製です。残念ながらこの分野で日本製は
見当たりません。この企業(東欧系の技術者がいる)は DVMpegという安いソフトを
提供しています。このソフトは Multiple-CPU NT上でも走り、
1. 2GB以下 (9分程度以下) の AVIファイルを直接 MPEG2に変換
2. AdobePremiereや UleadMediaStudioProの中から 無制限容量のAVIファイルを
   間接的に MPEG2に変換できます。

MPEG1への変換ソフトは 上記の MediaStudioProに含まれています。MPEG1の実例は
小生のサイト(minarita.net)にあります。荷が重いかも知れません(数MB)。

以上、お役に立てれば幸いです。